女性の皆さん、ご主人に外でなんて呼ばれているかご存知ですか?
海外に住んでいたころ、1年に1回は日本に帰国していたのですが、そのとき『あれ?今の日本ってこんな言い方するんだ?』と感じることがありました。
そのひとつが『嫁』という表現。
男性が自分の妻のことを第三者に話すときに使う表現なのですが、私が初めて耳にしたのは友達が結婚することになって、相手の男性が『うちの嫁は……』と彼女のことを表現したときのことでした。
結婚が決まったばかりだったので2人とも見るからに幸せそうで。私も『嫁かー。しあわせそうだな~』なんてほほえましく思いました。
でも、その後、世間一般で奥さんのことを『嫁』という色々なケースを見ていると、友人の旦那さんのようなケースよりも
「自分の妻を大事にしているかのようなそぶりを人に見せたくない」
「妻をぞんざいに扱っている感じを外部にアピールしたい」
がゆえに、使っている(らしい)人がいることに気づきました。
昔、付き合っていた彼がずっと私のことを『白玉ちゃん』と呼んでいたのに、彼の同僚の前でいきなり『お前はどうする?』と言われたときに驚いたことを思い出しました。
男の世界って、いろんな見栄はらなくちゃいけなくて、大変すね。
そもそも『嫁』とは、『家』や『義父母』から見た呼称なので、『うちの嫁が』というのはまあ、△ですが『俺の嫁が』っつーのは少しおかしいということになります。
ま、でも女性の方でも本当は『妻』と呼ばれていたい人が多いそうです。そりゃそうだよね、旦那さんにとって自分は『妻』であり、『嫁』ではないのだから。
私は海外で生活していたゆえ、結婚相手のことを名前で呼ぶ以外、考えたこともありませんでしたが、日本はいろいろなバリエーションがあって、そこに本人の考え方や夫婦の在り方まで反映されてしまうから、面倒くさいですね。
ちなみに海外で「日本では対外的には夫のことを『主人』と呼ぶ」といったら「なにそれ、すげー封建的。中世か」と言われました。同じように、夫が妻を『嫁』と呼ぶこともある。といったら、さらにびっくりしていました。
まあ、男性を擁護するわけじゃありませんが、あくまで『対外的に』ってとこがポイントで、男性ならそうしなければならない機会というのがありますからね。
自分の上司の前で「うちの妻が」なんていったら、「おい、こいつ妻だってよ!尻にしかれてるんじゃねーのかw」なんて言われるシーンがありありと目に浮かびますもの。居酒屋とかで。
妻の知らない場所で言うのならしかたないかもしれません。
また、前述の友人夫婦のようにちょっとしたおのろけで言うのなら、本当にほほえましいしまったく問題ないわけで。
ただ、やっぱり『女は男の所有物』的な考え方が根底にあるのかなという気はしますし、私個人は相手に『嫁』とか『おまえ』と呼ばれるのはイヤです。
そして、本当にスマートな男性はやっぱり「嫁」とも「お前」とも言わないと確信しています。過去に知り合った男性で、この人はスマートだな、素敵だな。と思う人はやっぱり誰一人、そういう言い方はしませんでした。
「僕のワイフは」
といった、ダンディ(死語?)な上司がいましたが、いまから20年近く前なので、あの方は、とても進んだメンタルの持ち主だったんだなーと改めて思います。
逆に女性が「うちのダンナがー」というのも、なんだかぞんざいな気がして、自分で使うのは憚られるので「夫」ということが多いですが、これもやはり私が外国かぶれだからなのでしょうか。