海外で暮らすようになってから、テレビをほとんど見なくなりました。見るものといえばスポーツの中継とニュース、ドキュメンタリーぐらい。
ヨーロッパに住んでいると テロ や 戦争、民族紛争などが身近なものに感じられて、人気タレントが出ているドラマのようなものが、とても空虚なものに見えてしまったからです。
フィクションではなく、現実に起こっていること以外、興味が持てなくなったというか。
読む本 にしてもしかり、昔は小説を好んでたくさん読んでいたんだけれど、ここ10年ぐらいは ハウツー本やビジネス書のようなものばかり読んでいます。
そんな中で、たまに読むのが好きな作家さんのエッセイです。他人の人生とはいえ、それはそれで現実に起きていることなので、ためになる気がして。
人生で何度か落ち込んだときに、励まされたのがエリカさんのエッセイでした。
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離婚をした時には
今まで以上に輝く魅力的な女、 彼が再び手に入れることのできない女を目指すのです
という言葉に励まされたし、働き始めて職場で同僚に意地悪されて落ち込んだときは
嫉妬される女は誰よりも 魅力的
意地悪されるのは、あなたに非があるからというわけではありません。 あなたの魅力が意地悪を引き寄せてしまうのです。意地悪で傷つくのは意地悪をしている 本人
という言葉に救われました。
また、傷つけたら謝れる人 意地悪をされたら許せる人になるという考え方も私にとっては新しい考え方でした。
嫉妬による意地悪をされたことは何度もあるんだけれど、それをあえて許そうという考えはなかったからです。離れればいいやと思っていたから。
でも人生 離れたくても離れられない その場から逃げられない事ってたくさんありますよね。ならば、相手を許していくしかないのかもしれません。まだまだ難しいし、無理に許す必要はないと思うけれど。
美しい人というのは 見た目の美しさだけではなく、人を思いやれる美しい行いが習慣になっている人、へこむようなことがあっても何度でも立ち上がる 強さを持つ人である、というのも私にとっては新しい考え方でした。
美しい人は強い。
というのもエリカさんに教えられたことだと思っています。
この辺、私が強い女を目指すようになったきっかけでもあります。
少し前にも 仲間はずれにされたことがあって、悲しくはないけど、どんな気持ちで これだけの嫌がらせができるんだろう?人が嫌な思いをしていることが喜びになる人って結構いるんだな、と思ってへこんでいた時があったのですが 、この本を引っ張り出してきて 前を向くことができました。
そういえば、 この本って初めて読んだ日からだいぶ経つけれど 最近エリカさんの本って新しく出ていないのかな? と思って調べてみると、信じられない、信じたくない事実にたどり着いてしまいました。
エリカさんは 去年の8月に亡くなっていたのです。
この本の中でエリカさんは、日本に帰るたびに血液検査を受けているけれど、全て A ランクの完璧な結果でアメリカで生活しながらこの健康状態を保つ秘訣は?お医者さんに質問されるぐらいだと書いていました。
運動を習慣にして、質の良い食べ物にこだわっていることも 本の中で書かれていたし、そんなエリカさんがなぜ…。
亡くなる直前は体調の悪さと疼痛との戦いでとても辛い日々を送られたようで、私もパソコンの画面をスクロールする 手が震えたほどでした。
こんなに素晴らしい人がなぜこんな目に…。
ブログを読み進めるうちに、涙が止まらなくなりました。
大げさではなく、エリカさんの本に出会わなければうまく立ち直れたか 前を向けたかわからないし、立ち直ってからも何度も背中を押してもらいました。
私の人生を変えた本として今でも大切に手元に置いているのに。私のようにエリカさんの本に背中を押された人はたくさんいたはずです。
こんな風に顔も見たことない、見ず知らずの人の背中を押して励ましてくれる、美しく強く素晴らしい人が、こんなにあっという間にこの世を去ってしまうなんて。
なんて残酷なんだろう。
そして大切な人、ありがとうと言いたい人にはすぐにでも気持ちを伝えないといけないなと 気がつかされたのです。
エリカさんが元気だったとしても、直接会ってお礼を言うことは叶わなかったかもしれません。
でも、自分の身近にいる大切な人には、こちらから連絡して 直接会って一緒の時間を過ごして、ありがとうという気持ちを伝えなくちゃいけないんだ、ということを最後にエリカさんが教えてくれたような気がします。
亡くなる2日前に記したというブログには、もう更新できる自信がない、万が一に備えてお礼を言わせて、として読者である 私たちにお礼と愛の言葉を送ってくれていました。
なんて 尊い人なんだろう。
エリカさん、辛さや痛みから解放されたんだよね。本当に涙が止まらなくて、これを書いていても涙が出てきてしまいます。
ニューヨークにいる彼女の友人たちもこんなに素晴らしい人をなくして、どれだけ嘆き悲しんだことでしょう。イチ読者である私ですら、これだけショックを受けているのですから。
天国にいるエリカさん。本当の美しさに気がつかせてくれてありがとう。
エリカさんが教えてくれたことを大事にしながら、これからも精一杯、強く美しい人生を歩んでいこうと思います。
どうかどうか、安らかに眠ってください。あなたのことは絶対に忘れません。
大好きです!