1日に100人単位の死者が出ているイタリア。さすがに心配になって友人に連絡してみました。
幸い私の友人がいるのはイタリア中部なのでそれほど感染者はいない様子。それでもほとんどの店は閉まっていて開いているのは、食料品店とタバコ屋さんくらいなんだそう。
郵便局すら小さい支店は閉まっていて、大きいところは空いていても窓口がひとつしかなく、さらに建物の中に1人ずつしか入れないので郵便局の前に列ができているそう。
その列も1メートル間隔でできていて、誰が先に来たのかはっきり分からないから自分が先だとか、支払い1件だけだから先に行かせてくれとか争いが始まっているらしい。
友達曰く「そういう言い争いをするのは決まって年寄りで本当にうんざりする」。
外出は仕事や通院など確たる理由がない場合は認められず、警察が色々なところで取り締まりをしていて車を停めて外出の理由を聞いているそう。
さらに市町村(自治体)を越えての外出ができないので、町の境に住んでいる人などはかなり不便を強いられているらしいです。
最初に感染者が現れた北部から大量の人間が流出した
イタリアでなぜここまで爆発的に感染者が増えたのか。
イタリア国内でも様々な議論がされているようだけど、今のところコレが一番の原因だとされているみたい。
イタリアの経済の中心である皆のを始めとする北部の町には、イタリア南部を始めとした他の土地から働き手や学生が集まっているんですよね。
まず、はじめにコロナウイルスの感染者が北部で見つかったとき感染を恐れた別の土地の人間がこぞって帰省(?)したわけです。
南イタリアに住むマンマ達が北イタリアで働く家族に「感染したら大変だから早く帰ってきなさい」と訴える様子が目に浮かぶ…。
言われたことを守るのが難しいイタリア人気質
休みの日になると実家や親戚、友人の家に集まって食事をするのが何より楽しみ(というか好き)なイタリア人。
そんな彼らですから「家から出るな」という言いつけを守るのが難しい。
日本人は政府なり自治体なりが、こうしろといったら大半の人がそれを守りますがイタリア人はそうじゃない。
70代以降の人、持病のある人はとにかく家にいてください!
と言われているのに、映画館に勤めている別の友人がこう言ってました。
「これまで1度も見かけたことがない呼吸用の酸素ボンベを携帯した人が何人か映画を観に来て『こんなときに限ってわざわざ外出するなんて、なに考えてるんだ?』と怒りを覚えた」
やるなと言われるとやりたくなる人が多いみたい…。
その他にも普段はしないウォーキングやジョギングをする人、犬の散歩に1日何度も出かける人が続出して、自治体は街中の公園(ウォーキングコースとかあるところ)を閉鎖しなくてはならなくなったそう。
イタリアへの援助はどうなっているのか
中国から医師が派遣されたことについてはイタリア国内で評価されているみたいです。 逆にEUはなにもしてくれない!と反感を持っている人が多い様子。
誰かがtwitterで言っていたけど「フランスやドイツ、イギリスといった国々は普段は大国ヅラしているけれど、いざとなると自分の国のことで精一杯」って割とホントだと思う。
中国、日本、韓国がイマイチ仲良くないように、ヨーロッパの国々もあまり仲良くないしイタリアが少し下に見られている感じがあるしな~…。
東日本大震災の時もヨーロッパの国々はさっさと自国の国民を引き上げさせていたのに対し、アメリカは兵士を引き上げさせなかった。
私は当時イタリアに住んでいたんだけど、遠い地から「ああ、ヨーロッパの国々は日本を助けてくれないんだな…」とショックを受けたことと、そんな大陸にいま自分がいて、日本に帰れなくなるかもしれない…と震えたこと。
それに反して自国の軍を日本に残し、救援活動を継続させることを決断した当時のオバマ大統領の複雑な表情は今でもよく覚えています。
こういう時に本当に協力できる国はどこなのかわかる気がしますね。
その点を考えると今回の件で、日中関係にはちょっと希望があるのかなと感じました。
早くおさまってほしいイタリアのコロナウイルス感染
とにかくこのままだと私たちもイタリアに行けないし、イタリアの人たちも日本をはじめ他の国に出ることができない。イタリア在住の日本人も含めて。
私はもう帰国しているけれど、海外に住んでいて自国に帰れないかもしれないと思うことほど恐怖を覚えることはない。
観光大国であるイタリアに観光客が来ないっていう事態も、かなり経済的な打撃を受けるだろうし、日本から何ができるってわけじゃないけど騒動がおさまったらイタリアに行くとか(アリタリアでな)できることはしたいなと思っています。
あとは国境なき医師団に寄付するっていうやり方もありますね。