白玉日記

40代女性が楽しく快適に過ごす方法を模索。でも若い子にも読んでほしい。

かんぽ不適切販売による重複契約。聞き取り調査後『復元の提案』とは

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いま、問題になっているかんぽ生命の不適切販売。

shiratamachang.hatenablog.com

 

2年ほど前に二人の職員が家に来て

 

A)90歳まで支払いが続く、終身の保険への加入。満期保険金の支払いはなし、月の保険料25,000円程度

B)半年後に現在の契約を解約する。加入して1年半程度、満期保険金100万円82歳満期、

月の保険料11,000円 

 

こんな契約ならびに解約を勧められました。

 

当日、私は家にいなくて、しばらくしてから80歳近い年齢で新たに月2万円以上もの支払いがある保険に加入する意味があるのかと慌てて、かんぽの職員を呼び出し、問いただしました。

 

私が問題だと思ったのは

①保険を解約するにしてもなぜ半年後待たなければならないのか
② 70歳以上の契約者が契約する場合、家族の同席が必要となっているが、同席したのは80歳を超えた父。同席した意味があるのか。なぜ私や保険金受取人である姉に連絡がないのか。

 

ということ。もちろん保険契約自体も、350万円以上支払って、受け取れるのは死亡したときの200万円のみ、という支払い額に対して受け取れる額が極端に少ないものでした。

 

それまで母は保険に入っていなかったので、とにかく「一生涯保障が受けられる」という言葉に流され、結局、旧契約を解約して新しく終身の保険に加入することになってしまいましたのですが、問題点に対する答えは以下のようなものでした。

 

①システム上の問題

②法律上問題はない

 

当時、インターネットで恒例の家族がかんぽの職員にほぼ無理やり、「解約&終身の新規契約」をさせらえていることがわかりましたが、どうやらかんぽ社内ではルールに則った方法として採用されているらしく、同じような契約をさせられてクレームになっている例が多数ありました。

 

良心的には NG だけどかんぽルール的には OKということです。

 

一般的な生保会社が絶対にしないような、信頼を損なうような行為であってもかんぽのルールではOKだったということ。

 

その時、かなりの数の同じようなクレームが上がっていたことを考えると、かんぽ側がこの事実を把握していなかったということはありえません。

 

管轄支店から受けた聞き取り調査

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先日、ブログでも書いたように訪問した職員が在籍する局の管轄である視点から職員が派遣されて、聞き取りを受けました。

 

「半年間重複契約がある」

 

ということでの聞き取りでしたが、メインとなるのは

  • 解約した理由
  • 新しく契約したのはお客様の意志だったか

 

という点の確認です。いまさら、なに言ってんのという感じですよね。

 

もちろん私は「突然、かんぽの2人でおしかけてきて、80歳過ぎの父が同席してほぼ強引に解約と契約を取り付けて言った。その後、私が再度職員を呼んで説明を受けたが、はっきりした説明はなく、ルール的に問題はないということだけだった」

 

と伝えました。

 

結論から言うと母が受けたのは「不適切販売」でした。

 

①システム上の理由というのは嘘で、半年後の解約でないと職員の成績にならないこと

②80歳以上であっても同席の上契約はできるが、それは他の家族が同席できない理由があることが前提であり、社内ルール違反であること

 

かんぽ側が提案してきた『復元の提案』とは?

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聞き取り調査から1ヶ月くらいして、「重複した期間の保険料をお返しする復元の提案をさせていただきたい」という連絡がきて、支店の職員がきました。内容は

 

『半年間重複して払っていた保険料を返金し、Aの終身保険の支払いを続ける』

 

というのが復元の提案でした。返金額は3万円程度です。

 

Aの終身保険が残るということは、月々25,000円近い支払いが、これから10年以上続くということ。

 

単純計算で死亡時にもらえる200万円を大きく上回っています。それでも両親は「終身の保障が受けられるなら仕方ない」というのです。

 

さらに職員の方に聞くと明確な不適切販売だったため、A の終身保険を「解約ではなく、契約そのものの取り消し」ができるといいます。

 

返戻金ではなく、保険料がそのまま返金されるイメージです。その場合、戻ってくる保険料は既に60万円近く(a)になっていたのです。

 

皆さんもご存知の通り、日本の健康保険というのは高額療養費制度というものがあり、月々の支払いはある程度、というかかなり抑えることができます。それだけに医療保険制度が不要であるという意見もありますよね。

 

www.sonysonpo.co.jp

 

さらに母は後期高齢者であり保険料の負担は1割。

 

本当に終身の保険を払い続ける理由があるのだろうかと悩んでいた時に母がボソッと言ったのです。

 

「近所の郵便局の○○さんが勧めてくれた、Bの契約だけ払っていればよかったのよね」と。

 

その時ちょっとひらめいたです。

 

「 A の保険を取り消しして、60万円返金してもらえるなら、Bの契約を解約しなかったことにできるのではないか」

 

でも、一旦解約した B の保険を『解約をなかったこと』にすることができるのかどうか疑問が浮かびました。 また B の契約は解約しているため「短期解約返戻金」をすでに受け取っています。 B の解約をなかったことにして復元すると

 

  • 短期解約返戻金(b)を返金
  • 解約時点から現在までの保険料(c)

 

この2うの支払いが生じます。この点について再度、職員の方に確認しました。

 

解約した保険を解約しなかったことにして復元できるのか結論から言うと「可能」でした。 

 

Bの解約はなかったことにして元に戻し、 Aの契約をなかったことにする。

 

本来の意味の『復元』(元の状態に戻すこと)です。

 

結局、Bは加入から1年半足らずで解約させられていることから、『短期解約返礼金』として返戻金の割合も少なく、支払われていた額は20万円にも満たない金額でした。

 

そのため、a-(b+c) の計算をしても、こちらには20万円近い返金があるというのです。3万店程度の返金とは大違いです。

 

私としてはbの金額がもっと高いと思っていたので、こちらからまとまった額を払わなければならないと思っていたのですが、違いました。

 

本来の意味の『復元』とは?

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かなりほっとした私ですが、改めて考えました。

 

本来の意味で顧客のことを考えて復元の提案をするなら、はじめから、

 

Bの解約はなかったことにして元に戻し

Aの契約をなかったことにする。

 

これを提案しませんか?????

 

結局、かんぽ側がしてきた復元の提案は「ダブっていた期間の金額だけ返金して、明らかに不適切かつ顧客にとって不利益だった終身保険を継続して支払わせる」

 

というものでした。

 

『膿を出し切る』みたいなことを言ってますが、ダブっていた期間の金額だけ返金して済ませようとしている時点で、かんぽの体質が根っから腐りきっているということが分かりますよね。

 

その提案をしてきた職員の方にはおそらく責任はないと思います。

 

私たちのような「重複契約」が問題になっているケースの対応は、重複部分の返金で対応するというのがかんぽのスタンスなのでしょう。

 

この復元の提案自体が顧客ファーストではない。

 

普通の生保会社がやらないような危ない橋を渡って、ルールすれすれの契約を結ばせて、それが露見してこれだけ大きなトラブルになっているのに、それでもなお、自分たちの損失を抑えることを優先している。

 

ということです。

 

全てのかんぽ職員の方が悪意があったわけではないでしょう。現に母が自分で契約したBの契約は月々の支払いも抑えられていて、満期保険金も支払われるものでした。

 

対応してくれた支店の職員の方も(今までのところ)誠意をもって接してくれていますし、重複部分の返金を提案してきたというのも、あくまでも会社の方針であって、その人の意思ではないでしょう。

 

私はかんぽの対応が良いか悪いか言うつもりはありません。

 

ただ、同じように重複契約で聞き取りを受けていて重複期間の返金だけで済まされそうになっている方には、一度考え直して欲しいと思っています。