休日を利用してトスカーナ州アレッツォにある町、コルトーナに行ってきました。
イタリアも到着以来、ずっと雨で昨日も降ったり止んだりの天気が続いていました。
コルトーナは外国人観光客がとても多い町。昨日もドイツ人やオランダ人ぽい方がたくさんいました。
レストランもどちらかと言うと観光客向け。
値段もちょっと高めのレストランが多いので、いつも決まった手頃な価格の店に行くのですが、昨日は探しているワインがあるとのことでちょっと高めの店に入りました。
探している場合というのはナチュラルワイン。
ナチュラワインというとオーガニックワインと何が違うのかとよく言われるのですが、この差がなかなか分かってもらえないのでもう一度説明しますね。
ナチュラルワイン(vini naturali ヴィーニ・ナトゥラーリ)とは
ナチュラルワインというのは発酵を促進する培養酵母や酸化防止剤が無添加であるか、最低限の量しか使用していないもの。
昔ながらのワインの製法で作られているといるもので、日本でよく言われているように体に悪いから酸化防止剤を入れないというのが目的ではないようです。
ブドウがワインになる過程では発酵は必須ですが、ナチュラルワインは自然酵母のちからで発酵させています。ここが結構、知られていないところみたいですね。
また、ナチュラルワインは品質安定を目的としたろ過をしていないものが多く、白ワインでも濁っていたり、澱が残っていたりします。
なお、ナチュラルワインの原料となるブドウは必ずしも有機認定を受けているわけではありません。
酸化防止剤無添加というワインは日本でも増えていますが、培養酵母を添加していたり原料となるブドウが有機栽培のものを購入して作っているものも。ワインの作り手が栽培したブドウではないということですね。
もっと驚くものになると、ブドウの汁を購入して培養酵母を使ってワインにして、酸化防止剤無添加のワインです!って言っているものもあって、驚愕する。それってワイン作ったことになるの?と思うけど。
製法はどんなものでもブドウが有機栽培なら「有機ワイン」
酸化防止剤無添加は要するに入れなきゃいいだけだから、難しいことではないけど培養酵母を使わなければ、ワインにならない可能性もあるからここが重要になってくるわけです。
これに対して、オーガニックワインというのは原料となるブドウが有機栽培というだけで、どんな風に作られているかはあいまいで、必ずしも自然製法であるとは言えません。
でも、そのワインは「オーガニックワイン」として販売できるわけです。
先日もドライブをしていてところ、友人に
「このブドウ畑はヴィオディナミコ製法でブドウを育てているんだけど、ワインの製造段階で培養酵母や酸化防止剤を普通に使っているから、素材であるブドウがだいなしなんだよね」
と言われて、そんなもったいないことするところもあるのかと思うのと同時に、そのワインは製造過程がどんなものであっても、「ヴィオディナミコワイン」として売られているわけで、矛盾を感じました。
自分も含めて日本人が誤解しやすそうなしくみだなーと。
是非知ってほしい、ナチュラルワインとオーガニックワインの違い
私はナチュラルワインしか飲まないので、よくアドバイスを求められるのですが
「最近おすすめのオーガニックワインは?」
とか、LINEなんかで聞かれると、あれだけ説明しているのにまだ分かってくれていないのかしら?とか、話を聞いていないんだなと思ってしまいます。
私はオーガニックワインについてはよく知らんのだ。
さらに、「最近おすすめ」などといって新しい造り手のワインを飲みたがるけど、ぽっと出の作り手が有機栽培できると思っているのか。
そりゃ、有機栽培のブドウを誰かから買ってくればできるだろうけど、「有機」の認定を受けるには何年もの時間とお金がかかるのだ。(バカボンパパ風に)
とか、いろいろ言いたいけど、こういう方はたいてい「オーガニックワインを飲んでいる」気分を味わいたいのであって、特にワインが大好き!というわけでもないようなので、適当にはぐらかします。
日本に帰ったらナチュラルワインなんで飲めるんだろうかと思っていたんですが、日本のナチュラルワイン市場というのはかなり成熟しているようで、私がイタリアで飲んでいたワインもほとんどが日本で購入することができます。
先日、お友達の作り手さんのところに行ったら、こちらのゆはらさん宛に出荷されるワインが積んでありました。
その他にも、目利きのインポーターさんがいて、いくつか画像で紹介したワインを買える店もあるので興味のある方は是非試してみて欲しいです。
私がクライアントさんにお歳暮でワインを贈ろうとして、間に合うかどうかハラハラしていたとき、無理を聞いてすぐに送ってくださったトスカニー イタリアワイン専門店 さんでもよく購入しています。ここも品ぞろえが素晴らしい。
こちらはちょっと高めだけど、2,000円くらいのものもあるから、是非飲んでみて欲しいです。
いったんナチュラルワインを飲み始めると大量生産のワインはとてもじゃないけど飲めなくなります。
私がよく入っている上大岡のハナノキさんもこうしたナチュラルワインにこだわっている店。自分で選んで買うのが面倒という方はこうしたお店に行くのがいいと思います。
ハナノキさんはボトルで飲んでも良心的な値段なのでかなりおすすめですよ。