白玉日記

40代女性が楽しく快適に過ごす方法を模索。でも若い子にも読んでほしい。

サッカー日本代表の健闘をみて思うこと。

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今更ですが、サッカーワールドカップ日本代表の健闘ぶりについて。

素晴らしかったですね。

 

予選トーナメントでコロンビア、ベルギー、セネガルと一緒と聞いて、あーこりゃダメだと思ったのは私だけではないでしょう 。

 

さらにワールドカップ直前の監督解任。元々評判の良くなかった監督であるとはいえ、この時期に監督交代をしてうまくいくとはなかなか思えない。

 

そんな話をイタリア人の友人としていたところ「いや、こういう時が、結構いい結果が出たりするんだって。イタリア代表だって絶対に勝てないって言われてた時にワールドカップ優勝したんだからね。それに日本代表は無くすものが何もない。強豪国よりそういう意味では強いって言えるんじゃないのかな」

 

なるほど。さすがサッカー強豪国の国民だけある。今回は出られなかったけどな…。

 

初戦のコロンビア戦を見て私はびっくりしました。元々、日本代表の試合はワールドカップの予選くらいしか見ないので、誰が招集されているかも詳しく知らなかったのですが、私はイタリアに住んでいたので長友選手のことは応援していました。

 

いまは、ガラタサライに移籍しましたが、インテルのファンからも受け入れられていたし、よくチームに馴染んで愛されていました。これって誰でもできることじゃないんです。

 

その長友選手を中心に日本代表のディフェンダー陣に安定感を感じました。ゴール前、イエローカード覚悟で相手選手を止めに入ったり、 ユニフォームを掴んで相手を倒すというのは、今までの日本代表はではあまり見られなかった光景でした。

 

日本人の選手にこんなプレイができるようになったんだ。サッカーに関しては素人ですが、その点について私は驚きました。

 

開始3分で相手選手が退場になったというラッキーな要素もありましたが、今の日本代表には得点力もある。

 

試合を通して見ていても点を取られる気があんまりしない。これは明らかにディフェンダーが優秀だということだと思います。素人が見ても分かります。

 

しつこいけど、特に長友選手。インテルにいた時はチームのウィークポイント的に叩かれていたこともありましたが、すごく安定感があった。吉田麻也選手もしかり。

 

柴崎岳選手も素晴らしかった。

 

鹿島からスペインの2部リーグに移籍した時、なかなかチームに馴染めず辛い思いをしたようでしたが、その困難を乗り越えて成長した姿がそこにありました。

 

海外生活になじめないつらさはよく分かるので、彼がのびのびプレーしているのを見ると嬉しい。よかったよ!淡々と素晴らしいプレーを繰り返すあなたに感動しました…。

 

最終的にフェアプレーポイントの差で日本が決勝トーナメントに進出することになりましたがこれは明らかにディフェンダー陣の戦績でもあると思います 。

 

ブーイングに対して

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ポーランド戦の試合終了間際。このプレーが物議を呼んだり、ブーイングが出るのは非常に日本らしいことだと思います。

 

他の国だったら、誰も非難しません。BBCが文句言ってたらしいけど、君らだってブラジルと当たらないように1位抜け避けてたんでしょ?

 

よそ者は黙っとれ

痛くも痒くもねーわ

 

じゃあ、国内なら文句言っていいかというと、私はそう思いません。

 

話が飛んで恐縮ですが、かつて、中田英寿選手が相手選手に倒された後、痛がることなくスッと立ち上がる姿を見て、 なんて美しいんだろうと思った記憶があります。同じ日本人として誇らしい気持ちでした。

 

イタリアやブラジルスペインの選手はちょっとぶつかっただけで大げさに倒れて痛がってみたり、そうかと思えばすぐに立ち上がってプレイを再開したり要するに汚いプレーが多い。

 

なぜかと言うとサッカーとはそういうスポーツだからです。

 

日本はサッカー先進国ではありません。それほど強いってわけじゃない。その日本が汚いプレーも辞さない強豪国に勝てるかっつったら、勝てません。

 

正々堂々、美しいプレーを心がけていては、世界の中で勝てないのです。それを今の日本代表の選手は知っている。

 

トルシエ監督やジーコ監督がかつて日本の選手に足りないのはずる賢さと言ったそうです。どんなに美しいプレイであっても勝ち進まなければ意味はないんです。

 

得点力も守備力も高まった今、正々堂々とプレーする、負けても美しくと言った理屈がまかり通るレベルに、日本代表はもういないのです。

 

相撲や柔道なら正々堂々、 日本人らしい戦いというのが重視されるのは当然です。なぜならそれが日本のスポーツだから。

 

でも、サッカーが日本のスポーツでない以上、日本人だけで理解できるレベルで戦っていてはいつまでも勝てないのです。

 

日本人サッカー選手のレベル

 

今回、召集されていた日本代表のほとんどの選手が海外でプレーしていることからもわかるように、 日本人選手のレベルは高まっています。

 

いや、フィジカルの面を除けば、日本人選手の潜在能力はもともと高いのです。

 

私はかつて海外で日本人の中学生のクラブチームを引率して、現地のトーナメントに参加したことがあります。

 

もちろん相手の選手もクラブチーム。そのトーナメントで日本のチームがほとんど総勝ちしてしまいました。それこそ相手チームの父兄からブーイングが出るほど。

 

もちろんその後、一部リーグ2部リーグの下部組織のチーム相手の大会では苦戦した試合もありましたが、力は五分五分。

 

相手選手の父兄の方に通訳として、私は何度も声をかけられました。

 

  • 彼らはプロのチームの下部組織なのですか?
  • セレクションをされた選手なんですよね?
  • 子供がこんなプレーができるなんて素晴らしい
  • まるでバルセロナのパス回しを見ているようだ
  • 監督はどなたなんですか? あなたのチームは素晴らしいと伝えてください

 

お礼をいいながら、私は考えました。

 

中学生レベルでサッカー強豪国の戦士たちと遜色ない戦いをしている日本人選手が、 なぜトップチームレベルになると弱くなってしまうのか。

 

いろいろな理由があると思いますが、その一つに「ずる賢さが欠けていること」が含まれるのではないでしょうか。

 

そのとき、中学生の日本人選手たちの試合を見ていて感じたことがありました。彼らはユニフォームを引っ張ったりラフプレーはしません。

 

でも、相手チームの反則に非常に敏感で、 相手チームの選手が少しでもユニフォームを引っ張ったりすると、プレイを止めて審判に「今のはイエロー!」と抗議するシーンが何度もあったのです。

 

当然、、現地の審判にしてみれば、そんなファールはイエローのレベルではありません。笛は吹かれずプレイは続行します。そして自分たちに不利な展開になってしまうのです。

 

これは非常にもったいない。

 

日本人はサッカー選手に限らずやってはいけないということをやるのを過剰に恐れてしまいます。ミスをした選手をたたくからでしょうか。

 

それでは世界に勝てない。ボール回しの器用さをはじめとするプレーのレベルの高さを持っているのに、なかなか世界のレベルでは通用しない理由は、ここにも隠れているのではないかと感じました。

 

くやしい。

 

だって潜在能力は高いんですよ?確かに体の大きさとかでは負けるけど。

 

日本代表は「正々堂々とやって勝てばいいというレベル」ではない

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今回ポーランド戦で長谷部選手が途中出場した後、プレーの動きが止まり、会場からはブーイングが聞こえました。

 

もちろんお金を払って試合を見に来ている人たちにとっては、ブーイングする権利があると言えます。

 

だけど日本で見ている私たちが日本代表がどうやって勝つかまで注文をつける権利はあるのでしょうか???

 

長友選手が「見苦しかったかもしれないんですけど」とインタビューで答えたとき、泣きそうになりました。見苦しくなんかないよ!だって、フェアープレーポイントが上回ったのは、あなたが素晴らしいプレーをしたからでもあるじゃん!

 

私は泣いた…。ありがとう!ユウト!

 

予選トーナメントの3試合を見ても日本代表の成長ぶりは顕著でした。残念なのがこのベストメンバーと言えるチームで戦える機会がもうないということ。ここまでレベルが高いチームを維持できるのかどうか、ちょっと心配です。

 

長谷部選手のキャプテンシーは何モノにも代え難いものでしたし、本田選手が途中出場した時の緊張感も忘れられません。ケイスケホンダ…。ありがとう…。

 

でも。

 

ベルギー戦の後、地面を叩いて悔しがる昌子選手の姿を見て、日本代表はこれからも大丈夫だ。と思いました。

 

きっと、また彼らは経験を積んで、姿を変えて、私たちを感動させてくれるでしょう。

 

なぜ日本は勝てないのか

 

サッカー強豪国の試合を見ていて感じるのが、強い国は負けないということ。当たり前じゃねーか!という突っ込みが聞こえますが、今回のベルギーも自分たちが負けると思ってないフシがありました。

 

強豪国は、積極的にいってがっつり勝つ試合ばかりではなく、取りこぼしが少ない。カッコ悪い勝ち方でも勝ち抜く力がある。しれっとそれをやってのける。

 

何年か前にコンフェデレーションカップでイタリア代表に善戦した時の試合を覚えてる方はいらっしゃるでしょうか。

 

当時のプランデッリ監督は「前半の何分かは何をしたらいいのかもわからなかった」。キーパーのブッフォン選手は「代表の試合であんなにシュートを打たれたのは初めてだ」と答えていました。

 

それでも日本はイタリアに勝てませんでした。

 

手垢のついた表現で恐縮ですが、強豪国にあって日本にないのは経験と勝者のメンタリティってやつじゃないでしょうか。

 

俺たちは負けないと確信を持つことは簡単ではありません。

 

でも、日本代表は明らかにその一歩、手前のレベルまで来ています。後は経験を重ね、自信をつけていく。こうしたメンタル面での改善も必要になってくるでしょう。

 

私たちファンも日本代表と一緒に成長し、彼らを後押ししましょう。

 

美しい敗退では満足できないレベルに、私たちは来ているのです!