白玉日記

40代女性が楽しく快適に過ごす方法を模索。でも若い子にも読んでほしい。

ヒルドイドが保険適応外問題の余波

shiratamachang.hatenablog.com

 

先日、お話した「ヒルドイドが保険適用外になる」というニュース、最近になって、また話題にのぼっているようです。結構前から話題になっているんだけどね。

 

ヒルドイドのメーカーであるマルホ製薬では、以前からヒルドイドが美容目的で使われていることに対して、抗議していたんですね。

 

マルホは、これまでヒルドイドに関するこのような記事を確認した場合、その都度、発行元・配信元に対して、ヒルドイドをあたかも化粧品等と同様のものであるかのように紹介することは控えていただくよう要請してきました。

 

また、併せて、医薬品の適応外の使用を推奨することは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)に抵触するおそれがある旨も注意喚起しています。

 

 

www.maruho.co.jp

 

アトピーの人にヒルドイドが出なくなることはあり得ない……と思いたい

twitteでもアトピーの患者さんが乾燥を抑えるためにヒルドイドが使えなくなったら困ると心配している声をいくつか見かけました。

 

でも、保険適用外にすることが検討されているのは、ヒルドイド以外の薬が処方されていない「ヒルドイドの単独処方」で「皮膚乾燥症」というようなあいまいな定義で処方されている場合ですから、アトピーの患者さんにヒルドイドが保険で処方できなくなる……ということはないと思います。

 

アトピーの患者さんなら、他の薬も処方されているでしょうし、アトピー性皮膚炎と診断されているのにヒルドイドが自費になるということはないはずです。

 

まあ、症状が出ていないとき「いざという時のために薬を出してください」っつーのができなくなる可能性はあるのかな…。

 

慢性皮膚炎って症状がおさまっていても、何らかのタイミングでウワーッと症状が出ることがあるんですよ。だから、万が一のときのためにある程度、余分に薬を手元に置いておきたいという気持ちもあります。

 

症状が出ていないときに薬は出せないよ、とはっきり言う先生もいて、それもよく理解できるのですが…。

 

ホント、急に、うわっと症状が出ることがあるんですよ。

 

先日、瀬戸物屋さんで湯呑を買おうとしていくつか器を持ち上げてみていたら、ブワーッとほこりが舞い上がってですね、あっという間に目や皮膚がかゆくなって咳も止まらなくなって、これはあかんやつ!酒さも出そう!あかん…薬…薬を…!!

 

となったわけですが、こんなときすぐに皮膚科に駆け込めるわけじゃないし、つねに薬を携帯しているわけでもなし…

 

ヒルドイドはこうした急性の症状に効くものではないのですが、慢性皮膚炎を患っているとこういう苦労もあるんですよ……。だから、いろいろと制限のある生活を送っているアトピーの患者さんに、これ以上、いらぬ心配をさせるようなことはやめてもらいたいですね。

 

医薬品は本来の目的以外で処方された場合、副作用の救済制度対象外

 

実は医薬品は「適応外処方」といって、本来の目的以外、つまり「添付文書の効能、効果、適応」に明記されていない症状について処方された場合、それは保険適応外となり「適応外処方」と呼ばれる扱いになります。自費診療のことですね。

 

この適応外処方された薬で、万が一副作用が起きたとしても薬剤の副作用被害救済制度の対象外となるということは皆さん、ご存知でしょうか。

 

例えば、美容外科でダイエットピルとかいいつつ、糖尿病の薬を出したりするのも適応外処方となります。

 

ヒルドイドのケースでは一応、「皮膚乾燥症」というあいまな定義の病名をつけて処方されているわけですから、これが実際に「適応外」となって、数年後副作用が出ても救済制度の対象外になる……ということが予想されます。

 

まあ、効き目が穏やかなヒルドイドは、救済が必要なほどの副作用は出なさそうですが、毎日大量に身体中に塗っているとしたら、どうなるか分かりませんよね。だって製薬会社側はそんな使い方をすると思って作ってませんから。

 

私も酒さ用皮膚炎の薬として男性ホルモンを抑える薬を出してもらっていますが、これは降圧剤の一種です。もちろん、適応外となる症状ですが、確実に効果が出ていて、今ではほとんど薬を飲まなくてもいいほどになっています。

 

症状が軽くなってきたので、今では塗り薬(非ステロイド)だけで、ほとんど顔の赤みがない状態にまで、回復しました。

 

本来の目的以外で薬を使用することは悪と考えられがちですが、私はこの症状で半年以上悩み続け、何件もの皮膚科で診てもらったのです。

 

保険で出された薬はほとんど効果がなく、ニキビだと言われてディフェリンゲルを処方されたり、ビタミンBを処方されたりしましたが、まったく効果がありませんでした。

 

「半年以上処方された保険適応のまったく効果が出ない薬と治療費の額」

「1カ月で効果が現れた自費診療、全額自己負担の薬と治療費の額」

 

は、おそらく後者の方が安かったと思います。効果が出ない分、他に化粧品を買ったり、ビタミン剤を買ったりして、その分の出費もかさんでいました。

 

本当に悩んでいる人にとっては自費診療でもしかたないと思うのですが、外に出るのが辛いくらい症状がひどかったときに、保険適応の薬が全く効かないというのはつらかった。

 

そして自費診療で処方された薬でスッと症状が引いたとき、どうしてこれが保険適応にならないのかな…と思ったのです。保険適応の薬も、診察料もムダだったってことだよなぁ…と。

 

以前、製薬会社に勤めていたことがあるので、新しく適応となる症状を増やそうとしたら、臨床治験を行わなければならず、それには莫大な費用と時間がかかるということはなんとなく理解していましたが、困っている患者さんがいて、効く薬があるのにどうにもならないというのはもどかしいですね。

 

このようなジレンマに比べたら、ヒルドイドが化粧品目的で使えなくなるかどうかなんて、悩むに足らないことじゃないですか?hpローション買うべしって話ですよ。

 

 
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ヒルドイドの保険料は払っているんだから問題ない」

「医療費全体を考えたら、たいした額じゃない」

 

っていう人もいるそうなので、マルホさん、本気でヘパリン類似物質のOTCの販売を考えたらいかがでしょうか。そうすれば、みんな満足するんじゃない?

 

…しないか。(笑