日本ってつくづく、男性社会なんだなーと思うことが多い昨今。今日、読売新聞の「論点」にこんな文章を見つけた。
2015年の離婚件数は22万6000件であり、その約6割に未成年の子がいて、20万人以上の子どもたちが親の離婚に巻き込まれている。
もう離婚する親が悪いっていう前提で始まっているよね。確かに子どもにツライ思いをさせることはあるだろうけど、みんな好きで離婚しているわけじゃない。どうしようもない理由で離婚を選択するしかない人が22万6000件のなかにどのくらいいると思う?
少し前に、いったん母親に親権が認められた9歳の女の子の親権を、「年100回以上の面会交流と共同養育計画を提案する父親の方が親権者にふさわしい」と裁判所が判断したという例があったけれど、そんなケースはまれ。
面会交流が行われているのは離婚後の親子の27~37%、養育費を受け取っているのは2割にすぎないという実情だ
現実は、これでしょ。親権者にふさわしいと判断される父親はおそらく、養育費を払っているだろうけれど、このお母さんだって1か月に1回は父親に合わせているという。しかも、女の子は母親と一緒に生活するのを望んでいるとか。
なんかねー。このお父さんの主張ももっともだと思うけど、こういうケースってすごくレアだと思うんです。お金に余裕があって、共同養育計画を提案できるような父親って。
もっとマスコミなり専門家なりが着目してなんとかすべきは、養育費を払っている親(おそらく父親)が2割しかいないってことなんじゃないの?
もちろん支援も大切だけど、その父親だって親であることには変わりないし、その子の養育費を負担すべきは国よりも前に親であるはず。まず、それが大前提で、それでも大変だろうから、国が支援していく…というのが筋じゃない?
実際、国や市の支援だけでは子どもを養うことなんてできないのだから。それなのに、なんで父親にちゃんと養育費を払わせようという動きにならないの??働きもしないろくでなしばっかだから?違うよね。
それなのに「夫婦別姓は親のエゴ。子どもがかわいそう。家族のきずなを希薄にするから認めない」「同性婚は子供がかわいそう」とか、ホントおかしいと思う。夫婦がどっちの名前を名乗ろうが、旧姓のままでいようが、同性同士で結婚しようが、当事者同士は誰も困らない。痛くもかゆくもない。
いわゆる「家族のきずな」がそんなに大事なら、子どもが健やかに成長できるよう、別れたあとも養育費を払うようにもっと効力のある決まりを作ればいい。養育費を払わない親はエゴイストじゃないのか。そこんとこはスルーするあたり、ほんと恐ろしい。
いつもシングルマザーの子どもがなにか問題を起こしたり、事件に巻き込まれたりすると「母親はなにしてたんだ」「母親に彼氏がいるなんて言語道断」「女である前に母」とか言われる。
父親はなにしてたんだよ?
とは絶対に言われない。どんなケースであっても。父親もその子の親であることは、変わりないはずなのに。養育費を払ってもらえなくて、いくつも仕事をかけもちしている母親が留守のときに起きた事故や事件でも、父親が責められることは、まず、ない。
ココリコの田中さんが離婚して、親権を彼が持つというと「母親に原因がある」「母親の浮気」だなんだといろいろ言われてたけど、もしこれが逆で奥さんに親権がわたっていたなら、旦那さんの浮気(田中さんが浮気したかどうかはべつとして )はそれほど責められることはない。へー、離婚したんだ、で終わる。
夫婦の間でどんなことがあったかなんて誰にも分らないのに。
旦那の浮気や養育費の支払いを逃げるのはほとんど何も責められないのに、女性はいつも「母親なんだから」と言われて、精神的に追い詰められていく。
ホントにすごい偏見がまかり通っていて、日本って後進国だなーと思わざるを得ない。アメリカやフランスでも女性の差別はあるというけれど、日本は女が生意気なこと言ったら、集中攻撃されてつぶされる。
ホント、恐ろしいと思う。
女性の権利を主張したり、差別を糾弾することに声をあげていきたいと思っているけど、社会的に抹殺されるのを避けるために我慢している人も多いんだろうな、と思う。
なんてったって政治家が援助交際を前提にした出会い系バーに通っていたことすらスルーされそうな世の中だからなぁ…。