翻訳とか通訳の仕事って「母国語なんだからいいじゃん」「話せるんだからいいよね」って感じで、お安い金額で仕事を頼まれることがあります。
特に知り合いを通じての仕事が多いので、断れなかったり、「この人だったらこの金額でいいかな」と思えることもある。確かに。誰かを助けるとか、社会的に意義があるとかだったら無償でやってもいいと思ってる。
本業でも介護施設のお仕事とかだったら、最低限の金額しか請求しない。
だけど通訳や翻訳の場合、そうはいかない。
私は留学して言葉が話せるようになっただけだから、ネイティブとか現地で育ったバイリンガルのみたいに、息をするようにその国の言葉が理解できて、通訳できるわけじゃない。
必死に間違いがないように訳して、洗練された日本語にするのにそれはそれは苦労する。時間がかかる。
余談だけど、現地で育ったバイリンガルの方が「私、日本語の文章が苦手で。硬い文章になってしまうんです」って言ってたから、ネイティブで2か国語話せる人だって、誠実に仕事しようとしたら、『息をするように』とはいかないんだということが分かって驚いた。そんな風に謙虚になれる人もなかなかいないのだけれど。
人がいいせいで、通訳の仕事が終わったあともずるずるお客さんから問い合わせが来たりして、対応してしまったりする。お金はもらっていない。
たいした手間じゃないからいいや。実費もかかってないし。と思っていたんだけど、こういう態度って相手に
「あーこの人、タダで頼んでも文句言わないな。ラッキー」
と思わせてしまっているんだということに気が付いた。
私という人間はそういう風に扱っても大丈夫ですよ、と言っているようなもの。自分の取り扱い説明書に「ぞんざいに扱っても大丈夫です!」と書いているみたいなもん。
いかんかったなーと反省した。
まあ、メールやLINEなら実費はかかってない。かかってないが、その対応するために私は自分の仕事や家事を中断している。
その作業自体にお金がかかってなくても、自分の仕事に遅れが出れば損失は発生する。
っつーことに今更気がついた。遅い。
自分でもちゃんと考えてなかったのが悪いんだけど、タダで頼んでも平気!と思っている人は私がプー太郎(死語)だとでも思っているんだろうか。
その証拠に、こちらからメールをしたときは返事もしてこないときがほとんどなのに入金に関する問い合わせについて書かれた、その人からのメールには「開封通知」を設定していて、笑った。
結局何がいいたいかというと、ただで仕事させようという人がいるのはどうしようもないから、そういうタイプの人には毅然とした態度をとることにした。
昔から普段は鳩みたいな平和主義なのに、怒ると一気に人食いライオンみたいになっちゃうところがあるので、気をつけないといけないなと思いつつ、毅然な態度をとる。むずかしいね。
淡々と事実を述べる。って意外に難しーなー!!
あんまりなめるなということです。
皆さんも気をつけて。