年をとってもモテるフランス人 年をとるとモテなくなる日本人 (宝島SUGOI文庫)
- 作者: 吉村葉子
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2016/04/06
- メディア: 文庫
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フランスへの憧れがふつふつの沸き上がっている私。遅い。
常日頃から、どうして日本人は年をとるとモテなくなるんだろうと思っていたのですが…。同じようなことを考えている方がいたんですね。嬉しい。
この本の書評めいたものを描くつもりなのですが、その前になぜ、私の考えがここに至ったかをお話したいと思う。
ヨーロッパで生活してみて感じたこと。フランスやイタリアではいくつになってもパートナーが見つかるし、離婚歴があって子供がいてもみんなどんどんパートナーを見つけていく。
彼らは特別、美人だとかカッコイイとか、若く見えるとかじゃない。どんな人でもそれなりのパートナーを見つけていく。日本にはないことでそれがとても不思議だった。
日本みたいに
「子どもがいるのに恋愛なんて。女である前に母であるべき」
「バツイチだからもうだめ」
なんて言われないし、言わない。母である前に女であるべき、とは言われるかもしれないけど。
女性の場合、母親が女性として幸せあるいは充実した日々を送れていなければ子どもを幸せにすることも難しいという考えが根本にあるのかもしれない。
でも、これには理由があって……。
例えば、私が住んでいたイタリアは男性がとても子供やお年寄りの扱いに慣れていて優しい。だから、子どものいる女性と付き合うことに抵抗がないという人が多いし、相手の子どもにも優しくしてくれる。フランスでも同じなのかな。
これは彼ら自身が核家族ではなく、祖父母と同居していたり、同居していなくても親戚の子どもやお年寄りと過ごす時間が多いからだと思う。
イタリア人の友達の女の子は25歳で5歳の子どもがいたけれど、旦那の暴力に耐えきれず、離婚。その後、同じ年くらいの男の子と付き合い始めたけれど、子供が新しい彼氏にすごくなついていた。よかったよねぇ…。
あちらでは、日本みたいにシングルマザーが新しい彼氏が離れていくのを恐れて子供を放置してしまうなんてことが、まず起こらない。
これって、女性の問題のように思われがちだけど、相手の男性にもかなり問題があると思う。日本だと、そんな男を選ぶ、女が悪いと言われそうだけど……。
核家族で育った日本の若い男性のなかには突然現れた子供をかわいいと思えなかったり、どう接していいのか分からない人も多いのかもしれない。
※でも、私の友達を殴っていた旦那も同じ男なわけで、ヨーロッパもDVの問題は深刻です。
いい意味での個人主義
あとはいい意味での個人主義。
周りの意見や世間体を気にすることなく、自分の気持ちに忠実に行動する。そして、家族のため、会社のため、子供のため、親のため…といった「誰かのために」を重視しすぎず、まずは自分を大事にしてこそという考えが根付いている。
「もう○○歳だから」という言い訳って、もともと周りが持っているイメージによるものですよね?自分の意見じゃないのに、「40過ぎてこの服はないな」とか「もう恋愛なんてムリ」「新しい仕事にトライするなんてもう遅い」とかいう、世間一般が持つイメージにとらわれすぎているのが、私たち日本人。
フランス人は「40歳。だから何?フフン」って感じなんだと思う。
あとは、他人よりも自分を大事にするところ。
ここは本当に見習いたいなと思う。「誰かのために」ばかりを優先しすぎてしまうと、自分自身に価値を見いだせなくなる。そして、その「誰か」がいなくなったときに、「私の存在価値なんてない」と思ってしまうから。
意外と日本人ってそういう人が多いんじゃないでしょうか。自分勝手に絶対になれない人。ええ、私です。(笑)
そして、恐ろしいことに、私のような「いい人」を見ると、必ず利用してやろうとか、傷つけてやろう、なにかを奪ってやろうと思う人がこの世にはいるということです。みんな気をつけようね!
私は「あなたのその優しさが仇になっている」と20代のころアメリカ人の英語の先生から言われていて、イタリア人からも「あんたいい人すぎ」とか溜息交じりに言われ、いまだに周りからそう言われてるから、もっと自分がよければいいや的な考えや、まず「相手の気持ちを考えすぎない」「周りの人を大事にしすぎない」、世間体に関しては「だから何?フフン」ということを身につけるべきなんだなと思うんです。
何が言いたいのか分からなくなってきましたが、吉村葉子さんのこの本を読んで、そんなモヤモヤした気持ちに一筋の光が差し込んできた感じがします。
前置きが長くなりすぎましたが、次回は感想です!