イタリアの中部で大きな地震がありましたね。(画像はイタリア中部の街ですが、地震が起こったところではありません)
ローマから近いアマトリーチェという街は皆さんもご存知のspagetti all'amatriciana(スパゲッティ・アッラマトリチャーナ)アマトリチャーナが発祥した街でもあります。
日本でも報道されていますが、イタリアの建物は地区何百年という歴史的建物が多く、大きな地震があると、甚大な被害に及ぶことも多いのです。街自体が壊滅状態というか…。
もともとイタリアは都市国家の集まりだっただけに、隣の町から攻めてこられないように山の上に町を作って、その周りに城壁を築いている…というパターンがとても多いのです。車が入るのもやっと、という細い道を通らないと街の中央にたどり着けないこともままあります。
街の中央には今でも人がたくさん住んでいて、建物の耐震構造を進めようと思ってもお金もかかるし、補助もありません。
もともと町全体が『歴史的地区』として手厚く保護されているため、自分の建物であってもガレージを作ったり、扉を替えたりとリフォームするのにも役所の許可が必要なところもあります。
それだけに耐震構造なんて進まない。さらにイタリア人は新しい建物があまり好きではないので、日本のような近代的なマンションをよしとする風潮もない。歴史的地区に居を構えるのはイタリア人の憧れでもあるんです。
おまけに地震に対する予備知識もあまりない。
今、イタリアはヴァカンツァの時期まっさかり。「無事だよー」と連絡をくれたイタリア人と電話で話していたところ、「家族が子供を連れて海に行っている」という。
「え?大丈夫なの?」というと「なんで?震源が海底じゃないみたいだし、大丈夫でしょ」という。
私たちは子供のころから、地震が来たら
- ガスを止めて
- 扉を開けて
- テーブルの下に隠れる(これは今は違うのかな)
- 学校だったら、防災ずきんをかぶる
- 海辺にいたらとにかく海から離れて高いところへ
と言われていますよね。もう体に染み込んだ知識みたいなものです。こういう教育、海外ではあまりされてないみたいです。少なくともイタリアでは、まったく浸透していない。とりあえず、家の外に裸足で飛び出してくる人は多かったけど。
よく「日本人はなんであんなに地震が起きても平然としていられるのか」と聞かれましたが…。
イタリアは地震が多い。と言われていますが、実際に地震が起こるのは10年に1回くらい、イタリア中部がほとんどです。だから、国としての防災意識は低い。しかたないことだと思います。
私はせめて中部の人たちの間だけでも、地震に関する知識を徹底して、浸透させるべきなのでは?と思います。この辺、日本がもう少しアドバイスしてあげたらどうなんでしょうか。芸術の復興にお金だすばかりじゃなく。
とはいえ、夜中の3:30に大地震が来たのでは、できることも少なかったのだろうな…。今でもがれきの下で助けを求めている人がいると思うと、やりきれません。アマトリーチェのような小さい街ではお年寄りも多かっただろうし…。
記憶にあるだけでも、イタリアでの大きな地震は3回目。建物の耐震構造ももちろんのこと、同時に住民の防災意識を高めることも必要なのではないかな。と感じています。