数年、ヨーロッパで過ごした後、日本に帰国して思うことがある。それは日本人が食べ物に無頓着ということ。
もともと神経質な方でなかった私でも、帰国後、スーパーで食品を手に取ってみて『これ、本当に大丈夫なんだろうか?』と思うことが多い。
私が住んでいた国ではカップラーメンもそれほど売られていなかったし、ファストフードの店舗もマックとバーガーキングくらいしかない。それも日本の感覚で言うと、区に1か所くらいの割合。とても少ない。
特にカップラーメンとか、100円くらいの菓子パン。原材料の欄を見るとものすごい種類の添加物が入っていて、これ大丈夫なの?と不安になる。
袋入りのパンは特に恐ろしい。ヨーロッパではパンはパン屋さんが毎日焼くもの。だから翌日になるとカチカチになってしまう。
袋入りのパンはいつでもふっかふかだけど、海外に行くまでその理由について考えたことがなかった。最近は怖くて買えない。
海外では肉やオイル、調味料にお金をかける
例えばイタリア。炒めものや焼き物にもオリーブオイルを使う。調理に使う油は揚げ物以外オリーブオイルと思っていい。しかもエクストラバージン。
彼らにとってオリーブオイルはエクストラヴァージンでなければならない。ただの『オリーブオイル』を買うイタリア人はほとんどいない。
だから毎年11月ごろ、新しいオリーブオイルが出回る時期になると、大きい缶で購入して数か月単位で使っていく。それがなくなるとスーパーで買うこともある。
価格としては最低でも3ユーロくらいするものを選ぶ。日本円にすると400円くらい。イタリア人の収入にすると決して安くはないけれど、そこは決して譲れない部分なので買う。
日本のスーパーで2リットルくらいの油が198円で売られていたりするのを見ると、こんなのが体にいいわけないよなと思う。『脂っこくない』とか『コレステロールが気になる人に』とか、それを食用油に求めること自体がそもそも疑問。なにか化学的に合成されたものが入っているとしか思えない。
そして、肉。
あちらでは肉も高い。家族3、4人が1週間で食べる肉を買う場合、15ユーロくらいかかるのが普通。これも収入に対してかなり高い。でも、パック詰めされたものは買わないという人もいて、肉は信頼できる肉屋さんからしか買わないという人も少なくない。
塊をスライスしてもらって買う。という昔ながらの肉屋さんで、ひき肉を買う時はひき肉を買うのではなく、塊肉を買ってそれを目の前で挽いてもらうのではないとイヤダ!という人も多かった。特に60代以降のおばちゃんはそう。
こちらに帰ってきて、ひき肉を買おうとするとどれも『解凍』と書いてある。私はひき肉を500gくらい買ってハンバーグにして冷凍しておくのが好きなんだけど、解凍のひき肉をまた冷凍するのは気が引ける。
そんで、この間、解凍と書かれているひき肉は賞味期限が切れるぎりぎりの肉を冷凍しておいて、それで作られているという話を聞いて驚愕した。
ヨーロッパで暮らしていたときは、そんな風にまともな肉を食べて新鮮な野菜を市場で購入したりして過ごしていたせいか、体調も肌のコンディションもよかった。
いまはなんとなく、疲れているというか…。不調というほどでもないのだけど、健康とも言えないような。
なので、まず調味料を見直してみることにした。油はエクストラヴァージンオリーブオイルもしくは太白ごま油。塩は天然塩、砂糖はきび砂糖や黒砂糖、お酢もきちんとした醸造酢を選ぶようにしている。
味噌は減塩のもの。ちゃんと米・大豆・塩と原料もチェック。添加物がないものを選んでいる。
もちろん高いけど、年齢的にもそこはケチる部分じゃない気がする。外食を2回減らせば、家族3,4人分の質の高い調味料を揃えることができるし。
激安の食材は裏になにかある。と思うことにしている。
高い化粧品やサプリメントに頼って、いい加減なものを口に入れているようでは本末転倒。といっても、飲んだあとどん兵衛のカレーうどんが無性に食べたくなる私なのだけど…。