白玉日記

40代女性が楽しく快適に過ごす方法を模索。でも若い子にも読んでほしい。

かかりつけ医制度を導入する前に考えて欲しいこと

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日本に帰国して、驚いたことがある。それは『尊大な態度の医師がすごく多いこと』。

 

私が住んでいた国は国立の病院が多かったせいか、医大を卒業してもすぐに病院に勤務することができなくて、「医師」であるからといって必ずしも特別視されないからかもしれないが、偉そうな態度をとる人はほとんどいなかった。

 

あちらの大学は医学部を除く、一部の学部は入試なしで入れることもあって医学部を卒業したら、どれだけ勉強してきたかについて尊敬のまなざしで見られることはあるけれど、それイコール人として認められたことでは、まったく、ない。

 

少なくとも私が過ごした10年間、尊大な態度をとる医師にあったことは一度もない。手術した経験もあるけど、みんな普通の人か患者の気持ちを汲み取ることができる医師ばかりだった。

 

聞いてあきれる、かかりつけ医制度

 

そんななかで日本も「かかりつけ医」という制度を浸透させようとしているけれど、それは、それこそ医師が医学部の学生だったころから浸透させないといけない考えだと思う。

 

そういう教育はしているんだろうか?

 

医学部のころから「大学病院のような病院で勤務したい」か、「地域に密着したかかりつけ医」になりたいかで、学んでおいて欲しいことが違ってくる気がする。

 

かかりつけ医の理想とは

 

私が小さい頃から通っていた病院の院長は、まさに「かかりつけ医」として理想的なタイプの医師だった。

 

私たちの親世代は医師に対して、疑問をなげかけたり、さらなる検査をお願いするのは失礼なことと思っている。それを知っていて、尊大な態度をとる医師も多い。

 

その先生はこちらから検査をお願いしても「そうだね、そういう症状が心配なら検査してみてもいいよ」と言ってくれた。待合室でまっている患者さんには、「○○さん、久しぶり。お父さんは元気?」と自分から声をかけていた。

 

入院費が払えるかどうか心配している患者には、自分のところの病院で働かないかと持ちかけたほどの人徳者だった。

 

患者の中には「今日は院長先生がいないなら、他の日に出直そうかな」という人もいたくらい。

 

もちろん、あの先生がそこまで到達したのは、若い頃からいろいろな患者と症例に接してきた積み重ねによるものなのかもしれないけれど、それってどの仕事でも同じ。

 

医師だから、というだけで若いのに偉そうな態度をとって、人を見下している人に遭遇すると、むしろ哀れだなと思ってしまう。あと、笑ってしまう。自分を神だとでも思っているのか?と。

 

世の中には素晴らしい仕事をして、患者を救っても当然の務めを果たしただけ、という医師もいる。そういう医師は、本人が望まなくても敬われていく。

 

知識のない患者をバカにして喜んでいるようじゃ、本当に情けない。喜んでいるわけじゃないのかもしれないけど、マトモな人なら面と向かって相手をバカにして、平気でいられるわけないからね。

 

いったい何様になったつもりなのか?と笑ってしまうけど、医師だからっていうだけで、「ハハーッ!!」みたいにひれ伏す人間が多いからそうなるのかもしれない。

 

そういう医師は、自分の大切な人が病気にかかったり、大切な人をなくすまできっと気がつかないんだろうと思うから、それまでそのままでどうぞと思う。

 

医師にだって向いていないことはある

 

ノーベル賞を受賞した山中伸弥先生は、臨床医として勤務していたころ手術が大の苦手だったとか。20分で済む手術を彼が執刀すると2時間かかって、先輩の医師からは「ジャマナカ君」というあだ名をつけられた…というのは、もはや有名な話。

 

医師にだって不器用な人がいるのは当然のこと。これは普通の社会人で営業に配属されたけど、向いてなかつたというのと同じことだと思う。

 

確かに私たち患者も「医師なんだから相談にのってくれて当然、治療法を提示してくれて当然」と思っているところがあるかもしれない。

 

でも医師にも打つ手がないときがある。医師としてなんとかしたくても、病院としてできないこともあるかもしれない。毎日受けるストレスは普通の職業の比ではないだろうし。

 

そんなときに、いかに患者の気持ちを傷つけることなく、適切な説明を行うか…確かに若い医師には難しいことだろうと思う。

 

だからそのへん!医学部に在籍しているときから、なんとなく勉強しておいてほしいよなあと思う。勉強することが多くて、そこまで手が回らないのかもしれないけど、「かかりつけ医制度」を浸透させたいなら、大事なことなのでは?